人材ポートフォリオの作成

Creating talents portfolio

自社分析の次ステップとして、人材ポートフォリオの作成をおこないます。

構造の可視化

なぜ人材ポートフォリオを作成する必要があるのか、それは組織構造の可視化が目的だからです。

前トピックスの「自社分析」では、経営戦略を理解しました。次は組織戦略です。組織戦略を理解する上で、人材ポートフォリオの作成が役立ちます。

従業員データの分析

主観的データだけではなく、客観的データを分析しましょう。

会社の現状分析」では、各部門に対してインタビューを実施したと思います。これは言わば主観的データです。しかし主観的データだけでは、判断を見誤る可能性もありますので客観的データが必要です。

出典:イノベーションと企業家精神

イノベーションに成功する者は、右脳と左脳の両方を使う。

数字を調べるとともに、人を見る。

分析項目リスト

客観的データとしてどのようなことを知るべきでしょうか。

従業員情報

  • 入社日
  • 在籍期間
  • 年齢の割合
  • 性別の割合
  • 新卒入社・中途入社の割合
  • 離職率
  • 平均年収
  • 職種割合
  • 役職割合
  • 評価結果

採用情報

  • 流入媒体
  • 採用コスト
  • 学歴など

従業員情報としては、もし会社に従業員データベースがあるのであればそれを活用してください。もしないのであれば、こちら従業員管理シートを利用してください。上記項目や割合を見える化したシートです。

従業員管理シート © Copyright, ジンジノート All Rights Reserved

働いている従業員について、偏見なく理解する上では最低限上記項目については把握しておくべき必要があります。

また合わせて採用情報に役立つデータも、収集しておきましょう。具体的には、入職者が利用した流入媒体であったり、一人辺りの採用コストを算出したり、学歴などです。学歴フィルタは個人的に必要ないと思っていますが、例えば出身高校や出身大学に偏りがあるのであれば、OB/OGの繋がりを活用できるかもしれませんし、何かしら採用促進につながるアイデアが見つかるかもしれません。

図化でわかりやすく

すでにデータ分析をしたので、大まかなイメージが頭の中にできあがっていると思います。ここでは、そのデータから人材ポートフォリオをわかりやすく図化していきましょう。

図化の目的

図化する目的は、

  • 見える化
  • 情報共有

の2点のためです。

セグメントの例

セグメントをどうするかで無数の切り口があると思いますが、例えば社歴×評価(パフォーマンス)という2つのセグメントを使って図を作成してみたいと思います。

仮にこの時に社歴が短くかつ評価が高い人材の優秀人材層があったとすると、どうすればその人材をさらに増やすことができるか、どういう人材が優秀人材層になっているのか見える化することで分析しやすくなります。

また別の方法としては、役職×新卒・中途という2つのセグメントに、現在と将来という時間軸を組み合わせます。将来的に、役職×新卒の割合を増やしたいという組織戦略があるのであれば、中途の役職者採用を、新卒のキャリア育成スケジュールと調整しながら徐々に減らしていくという戦略を考えることができるかもしれません。

組織戦略と採用戦略

経営戦略と採用戦略に一貫性が必要なように、組織戦略と採用戦略にも一貫性が求められます。

人材ポートフォリオを見える化することで、図化した資料を元に経営者と円滑なコミュニケーションを取ることができますし、部門間の情報伝達にも活用することができます。

データさえあれば、図化そのものは難しくない作業なのでぜひとも取り組んで頂けたらと思います。

最適手段の選択

ここまで自社分析と人材ポートフォリオの見える化を時間をかけて行いました。いま一度「採用」することが、問題や課題の解決に繋がるのか考える必要があります。

なぜなら人材に対するアプローチは、「採用」だけではないからです。

  • 採用
  • 育成
  • 配置
  • 外部委託

これらの方法の中から、最適な手段を選ぶ必要があります。

会社全体の人材不足であれば、採用か業務委託、部署内の人材不足であれば採用か業務委託か部署異動、また時間に余裕があるのであれば育成という選択肢も考えられます。

あらためて「会社分析」と「人材ポートフォリオ」と「最適手段」を考えた上で、採用することが最善手と判断できた場合は、早速採用計画をはじめていきましょう。

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