最終面接が終了し、入社条件の準備も整ったら、採用担当者にとっての最終ステップは候補者をクロージングして内定を承諾してもらうことです。
クロージングの際のスタンスや注意点について解説します。
採用担当者のスタンス
採用担当者は中立的なスタンスを心がけましょう。
ここでの中立とは、会社と候補者双方の立場に偏らず、中立的な立場からコミュニケーションをとることを指します。なぜなら、あまりにも会社寄りのスタンスでクロージングしようとすると、候補者はあなたの言葉を素直に受け入れない可能性が高いからです。あなたの話がすべてポジティブな要素にフォーカスされていると、候補者には信頼性がないと受け取られかねません。
中立的な立場として、候補者に対してキャリアコンサルタントのような立ち位置でコミュニケーションをとることを心がけましょう。
クロージングを必要としない場合
クロージングが必ずしも必要なわけではありません。
採用プロセスを通じて、候補者との関係を構築し、疑問点を解消し、候補者に合った条件や仕事を提供できている場合、候補者は自ずとと内定を受け入れるでしょう。
要するにクロージングが必要なのではなく、候補者にとって納得感を持ってもらうことが最も重要です。この納得感は、最後の工程で畳み掛けるのではなく、選考プロセス全体を通じて段階的に築いていくべきです。正直に言って、私は営業としてのクロージングのスキルはあまり高くありません。しかしこれまで多くの候補者に内定を受け入れてもらえた背後には、再現性のある方法が存在します。
それは候補者のニーズを理解し、選考プロセスを通して納得感を得ていくことです。
納得しない内定はトラブルのもと
中には、役員や部門のマネージャーから「この候補者を採用してくれ」とのプレッシャーがかかり、無理にクロージングしなければならない場合もあるかもしれません。
しかし候補者が納得せずに入社した場合、後でトラブルの原因になることがあります。候補者が自分から会社に対して前向きなスタンスでない限り、優れた人材でも優れた業績を上げることは難しいでしょう。無理にクロージングせず、候補者が納得して前向きに入社するよう導くことが、採用担当者の役割です。
このためには役員やマネージャーの期待値をコントロールすることも重要です。
まとめ
今回は、内定を導く際のクロージングについて解説しました。
クロージングを無理に行う必要はありません。選考プロセスを通じて候補者に納得感を持ってもらうことを重視し、準備を整えましょう。