書評

住みにごり

Living in a cloudy place.

「住みにごり」は、最初は引きこもりの兄と、その弟を中心に展開される物語のように思われます。

しかし読み進めていくと、家族の中に不穏な雰囲気が漂っていることに読者は気付かされます。そして各登場人物の過去の秘密が少しずつ明らかにされ、大きなトラブルを引き起こす物語です。私の個人的な予想ですが、著者は物語の結末を既に決定していて、その結末にたどり着くために物語を逆算して構築しているのではないかと感じます。

物語をより複雑にし、読者を驚かせるために、段階的に情報を追加しているように思えます。

初めのうちは物語の全貌が理解しにくいかもしれません。しかし徐々に内容が明らかになると、最初の印象とは全く異なる人間模様や物語が浮かび上がります。兄に対して最初はネガティブな感情を抱くかもしれませんが、物語が進行するにつれて、読者は彼が一番かわいそうな存在だと気づくでしょう。その理由や、なぜ彼がそのような状況に追い込まれているのか、家庭内の複雑な人間関係や過去の出来事が絡み合っています。

この漫画は、家族間の複雑な人間模様を、独自の気持ち悪い表現で描写しており、その奇妙な魅力が読者を引き込みます。物語を進むにつれて、登場人物たちの心情や背後に潜む事情が次第に明らかになり、その展開に驚かされることでしょう。

Related Articles

Back to top button

広告ブロックが検出されました

広告ブロッカーを無効にしてください。